亜鉛
こんなお悩み・健康効果に
- アンチエイジング
- 免疫力向上
- 新陳代謝促進
- 美髪
- 美肌
- 味覚障害の改善
- 生殖機能の改善
亜鉛とは
人体に欠かすことができないミネラル。
人間の体に欠かすことができない必須ミネラルの1つで、新陳代謝や蛋白合成、DNAの伝達、エネルギー代謝、免疫反応などに重要な役割を果たしています。
特にアミノ酸からのたんぱく質の再合成や遺伝子情報DNAの伝達に欠かすことができない成分のため、胎児や乳児・思春期の正常な成長発達、味覚や嗅覚の発達、さらに腎臓・膵臓・脳などの組織にとっては重要なミネラルです。新陳代謝を促すことから美肌や美髪効果もあり、アンチエイジングも期待されています。
亜鉛は体内で生成することができず、体内に貯蔵しておくこともできないため、食物から摂取することが必要になります。さらに亜鉛は、ビタミンCを一緒に摂ることで体への吸収率が高くなるため、梅干しやレモンなどと一緒に摂取をすることで効率よく体に取り込むことができます。
期待される効果・作用
味覚障害の予防・改善
舌や軟口蓋に存在する味蕾細胞の産生に亜鉛は必要不可欠なため、不足すると味覚障害を引き起こします。
味蕾細胞の寿命は約10.5日でサイクルが非常に早いため、定期的な亜鉛の摂取が必要となります。
抗酸化作用・アンチエイジング
亜鉛はビタミンAの代謝を促すことにより、ビタミンAがもつ抗酸化作用を活性化させることができます。抗酸化作用は過酸化脂質によって引き起こされる動脈硬化やがん、老化予防に対して有効です。そのため、亜鉛を摂取することで抗酸化作用を促進と総合的なエイジングケアが期待できます。
免疫力向上
体の中で病原菌を攻撃する働きを持っている白血球には亜鉛が含まれています。また、未知の病原体でも排除することができると言われているナチュラルキラー細胞も、亜鉛がなければ作ることができません。このことから亜鉛を積極的に摂取することで、体の免疫力は向上し、風邪などの感染症にもかかりにくくなる効果が期待できます。
新陳代謝促進
亜鉛は体の中で、さまざまなたんぱく質と結びつき、酵素の構成要素としての機能を持っています。亜鉛と結びついた酵素は亜鉛要求性酵素と呼ばれ、さまざまな代謝経路に存在し代謝を活性化させています。このことから亜鉛は新代謝促進効果をもつと言われています。
美髪・美肌
亜鉛はたんぱく質の代謝を促進させ、新陳代謝を促す働きを持っています。髪の毛や皮膚の主成分はたんぱく質であることから、亜鉛を積極的に摂取することで髪の毛や皮膚の新陳代謝が促され、美髪・美肌状態を保つことができると言われています。
生殖機能の改善
亜鉛は精子に多く含まれており、精子の形成において亜鉛は欠かすことができません。亜鉛が不足をすると男女ともに第二次性徴が遅れるため、生殖機能においては非常に重要な成分です。
こんな方におすすめ
ビタミンAの抗酸化作用を促進させたり、新陳代謝を活性化させるなどの効果があるため、いつもでも若々しい日々を過ごしたい方、美容に気を使われる方、生活習慣病を気にされている方、お肌や髪にうるおいやこしがなくなったと感じている方などに適している栄養素です。
また免疫力を上げる効果もあるため、風邪予防などにも。
摂取目安量・上限目安量
日本人の食事摂取基準(2015年版)[※1]によると、摂取推奨量は、18~69歳の男性で12mg/日、70歳以上の男性で11mg/日、18~69歳の女性で7~8mg/日 、70歳以上の女性で7mg/日 となっています。
通常の食生活で亜鉛の過剰摂取になる可能性は低いと言われていますが、サプリメントからの摂取によって過剰摂取となる可能性はあります。耐容上限量としては、18~29歳の男性で40mg /日、30~69歳の男性で45mg/日、70歳以上の男性で40mg/日、18~69歳の女性で35mg/日、70歳以上の女性で30mg/日に設定されています。
考えられるリスク・
副作用
通常の食生活で過剰摂取になることはほとんどないと言われていますが、サプリメントからの摂取によって過剰摂取となる可能性があります。亜鉛を過剰摂取することによる、悪心、嘔吐、食欲不振、銅欠乏、貧血、頭痛など、急性的な副作用のおそれがあり注意が必要です。
また、1日に150~450 mgほど亜鉛を過剰摂取することにより、銅含有量の低下、鉄機能の変化、免疫機能の低下、および高比重リポ蛋白の濃度低下などの影響も示唆されています。[※2]
亜鉛を含む食べ物
亜鉛は、魚介類、藻類、野菜類、肉類、豆類などに多く含まれています。スーパーなどの身近な場所で手に入れやすい食品が多く、調理もしやすいため日常的に摂取しやすいことが特徴です。しかし食べ物から摂取された亜鉛は小腸で吸収されますが、その吸収率は30%ほどで、年齢とともに吸収率は低下してしまうため年齢を重ねるほど意識して摂取をしましょう。
亜鉛を含む主な食べ物(100gあたり)[※3]
・かき 養殖(生)…14.5mg
・うなぎの蒲焼き…2.7mg
・ぶた 肝臓(レバー) 生…6.9mg
・かたくちいわし 田作り…7.9mg
・しらす干し…3.0mg
・豚肩ロース(生)…3.2mg
・鶏もも皮つき(生)…1.6mg
・切り干し大根(乾燥)…2.1mg
・枝豆(生)…1.4mg
牛乳に含まれているカゼインという成分は、亜鉛の吸収を促すことが知られているため、一緒に摂ることで効率よく摂取することができます。逆に、過剰な食物繊維は亜鉛の吸収を阻害してしまうため注意しましょう。
発見・研究の歴史
金属としての亜鉛は紀元前4000年頃にまでさかのぼると言われ、1713年に日本の寺島良安にて「亜鉛」と命名。
栄養素としての亜鉛は、1869年にRaulinが亜鉛が黒色麹菌(Aspergillus niger)の成長に必要なものと発見されたことを皮切りに研究が進み、20世紀に入ると亜鉛が動植物に必ず存在し、臓器・種別ごとに多く含まれていることが分かってきました。
その後、1939年にKeilinとMannが亜鉛が炭酸脱水酵素の構成要因であることを発表し、亜鉛酵素の研究が進みました。[※4]
亜鉛に関する研究情報
【1】さまざまな程度の加齢黄斑変性症患者に対して、亜鉛を併用投与した群と投与しない群に分けて影響を評価したところ、亜鉛を併用した群の方が加齢黄斑変性症の進行を遅らせることと視力障害の発生リスクが明らかに低下。このことから、亜鉛を摂取することで、高齢者における加齢黄斑変性症のリスクの低下と視力障害の低下を遅らせる効果が示唆されました。
【2】ランダム化二重盲検プラセボ対象臨床試験において、感冒発症後24時間以内の対象者に対して酢酸亜鉛トローチを与えた群とプラセボを摂取させた群とを比較した結果、酢酸亜鉛トローチを摂取した群の方が風邪症状が有意に改善。このことから風邪症状に対する亜鉛治療の効果が示唆されました。
成分
10秒解説
人間の体に欠かすことができない必須ミネラルの1つである亜鉛は、味覚や嗅覚、新陳代謝やエネルギー代謝、免疫反応などに関わっています。
体内で生成することができないため、食事から積極的に摂取することが必要な栄養素です。牡蠣や豚レバー、高野豆腐などに多く含まれています。