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ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌

成分
10秒解説

ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌は、1985年にヒトから発見された新しい乳酸菌。LGG乳酸菌とも呼ばれています。この乳酸菌は生きたまま腸に届くだけでなく、そのまま長く留まるのが特徴。世界でもとくに多くの研究成果がある乳酸菌としても注目を集めています。

こんなお悩み・健康効果に

  • 便秘予防
  • 下痢予防
  • アレルギー症状緩和
  • 肌荒れ予防・解消
  • 子どもの呼吸器の健康維持
  • 子どものアトピー性皮膚炎を予防
  • 感染症(インフルエンザ、風邪等)予防
  • 整腸
  • 花粉症対策
  • 美肌
  • 肌の保湿力アップ

ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌とは

特徴は、生きたまま腸へ届いて長く滞在すること。
世界的にも多数研究されている乳酸菌です。

ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌は、LGG乳酸菌とも呼ばれています。世界でもとくに多く研究されている乳酸菌として、さまざまな企業・研究所からも注目されています。

乳酸菌は球状の「乳酸球菌」と棒状の「乳酸桿菌(かんきん)」に分けられ、ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌は桿菌に属します。基本的に乳酸菌の表面はツルツルなのですが、ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌の表面には「毛」らしきものが見られるのが特徴。この毛はラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌にしか存在しない線毛で、「ピリ(Pili)」と呼ばれます。

ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌は生きたまま腸へ届いて、そのまま長く滞在するのが大きな特徴ですが、その性質にピリが関与していると言われています。実は、遺伝子組み換えでラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌からこのピリを取り覗いてしまうと、腸の表面に付着する能力が弱くなってしまうのです。このことから、ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌はピリがあるから腸内に長く留まれると考えられます。

期待される効果・作用

腸内環境の改善

乳酸菌のひとつであるラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌は、酸に強いという性質があります。乳酸菌の多くは酸に弱いため、胃酸や胆汁酸の影響で腸まで到達しないことがありますが、酸に耐性のあるラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌は生きたまま腸へ到達。しかも一般的な乳酸菌は2~3日で排出されてしまいますが、ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌は長期にわたって腸に留まることが分かっています。この性質により、腸内環境が改善された状態が長続きすると考えられます。

花粉症の改善効果

ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌には、アレルギー症状のひとつである花粉症の改善効果も示唆されています。ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌とTMC0356乳酸菌を含むヨーグルトと、含まれないヨーグルトを花粉症患者に摂取してもらったところ、2種類の乳酸菌を含むヨーグルトを摂取したグループでは鼻づまりなどの自覚症状の改善が見られました。[※1]

子どものアトピー性皮膚炎を防ぐ効果

アレルギー症状の緩和効果が示唆されているラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌は、子どものアトピー性皮膚炎を予防する効果があるのではないかと言われています。この研究では、妊娠中にラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌を摂取した母親のグループと、摂取しなかったグループを比較。その結果、ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌を摂取した母親から生まれた子どもは2歳の時点でアトピー発症率が23%、摂取しなかったグループの発症率は46%となり、子どものアトピー性皮膚炎を防ぐ効果が示唆されました。[※5]

子どもの呼吸器感染症の罹患率の減少

ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌には、子どもの呼吸器感染症(風邪、鼻炎、咽頭炎、中耳炎、副鼻腔炎)の罹患率を抑える働きがあるのではないかと言われています。1~7歳の子どもをラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌を含むヨーグルトを摂取するグループと、含まれないヨーグルトを摂取するグループに分けてデータを取ったところ、ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌を摂取した子どもたちのほうが呼吸器感染症の罹患率が低いことが分かりました。また、感染症にかかったとしても症状の日数が短縮されていました。[※3]

肌の保湿力を保つ

ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌には、肌の保水力を高める効果があるという報告があります。これは、1週間のお通じが3~5回で便秘の自覚があり、肌荒れや乾燥に悩んでいる25~59歳の成人96名を対象とした研究結果です。96名の被験者を、ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌を摂取するグループと摂取なしのグループの2つに分けて調査。4週間後に、前腕部と頬の角質水分量と経表皮水分蒸散量をそれぞれ測定しました。その結果、ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌を摂取したグループは角層水分量(前腕部)がアップ。頬の水分蒸散量も有意に抑えられたことが報告されています。この結果から、ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌には肌の水分量を保持する働きが示唆されました。[※6]

こんな方におすすめ

ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌は生きた状態で腸まで到達し、そのまま長期にわたって滞在するという特徴を持った菌です。滞在期間が長いということは、長期にわたる整腸作用が期待できるということ。そのため、慢性的な便秘や下痢といった腸トラブルに悩んでいる人や、風邪などをひきやすいといった人におすすめです。継続して摂取することにより、より長く健康効果が続くことが考えられます。

また花粉症やアトピー性皮膚炎といったアレルギー症状の緩和にも有効。とくに花粉症に関しては、花粉が飛散するシーズンの前からラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌を摂取しておくと効果がアップするようです。肌トラブルへの効果も研究によって示唆されているため、みずみずしくハリのある肌を目指したい人にもおすすめでしょう。

ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌はヨーグルトや乳酸飲料、サプリメントなどに含まれているため、摂取量については各製品で定められた摂取容量、摂取方法に従うようにしてください。

考えられるリスク・
副作用

ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌をはじめとする乳酸菌は、いわゆる栄養素ではありません。また、ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌はヒトから見つかった乳酸菌であり、摂取することによるリスク・副作用は報告されていません。
ただし、ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌が含まれるヨーグルト・ドリンクといった製品を利用する場合は、大量に摂取すると糖分・脂質の過剰摂取につながります。たくさん摂取すればそれだけ効果があるというものではないので、適切な摂取量を守るようにしましょう。

ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌を含む食べ物

ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌は、ビフィズス菌BB536、乳酸菌シロタ株よりも早く特定保健用食品の関与成分となったもの。このラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌を含む製品を日本で販売しているのは、素材を提供する世界的バイオテクノロジー企業であるクリスチャンハンセン社とライセンス契約を取得しているタカナシ乳業株式会社です。これにより、タカナシ乳業株式会社が発売しているLGG®乳酸菌ヨーグルトやヨーグルト飲料からラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌を摂取することができます。(※LGGはクリスチャン・ハンセン社の商標)
または、ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌を含むサプリメントを利用する方法もあります。

発見・研究の歴史

乳酸菌は、摂取してもそのほとんどが乳酸や胆汁酸によって死滅してしまうことから、米国タフツ大学のゴルバッハ教授、ゴルディン教授の2名は、生きて腸まで到達する乳酸菌を探し続けていました。その結果、1985年に発見されたのがラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌です。これは健康な成人の腸内から発見されました。ちなみにラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌という名称は、乳酸菌を意味するラクトバチルス(Lactobacillus)に2名の教授の頭文字をとって名付けられたものです。
このラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌は、世界でもとくに研究されている乳酸菌であり、関与する研究論文の数は1,400報以上(2020年4月時点)。健康への有用性はさらに期待されており、世界中でさまざまな調査や製品開発が行われています。

ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌に関する研究情報

【1】造血器腫瘍患者ラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌を含むヨーグルトを摂取してもらったところ、腸内のラクトバチルス属が増加。腸管保護作用を持つ酪酸を精製する、数種類の細菌の増加が認められました。
https://news.e-expo.net/release/2018/10/post-136-9.html/

【2】慢性的な便秘や肌荒れに悩む男女にラクトバチルス・ラムノーサスGG乳酸菌を摂取してもらい、4週間後に肌の保水量・水分蒸散量を調査。前腕部の皮膚の水分量が増え、頬の水分蒸散量も抑えられたという結果を得られました。
https://www.takanashi-milk.co.jp/wp-content/uploads/2018/03/release_bihada.pdf

参照・引用サイトおよび文献

※1「タカナシ研究所 花粉シーズンと乳酸菌│タカナシ乳業株式会社」
(URL:https://www.takanashi-milk.co.jp/labo/talk/02/

※2「スーパー乳酸菌は毛がボーボーだった(食の研究所)│Japan Business Press」
(URL:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44205

※3「子どもの呼吸器感染症(かぜ、鼻炎、咽頭炎、副鼻腔炎、中耳炎)の罹患率の減少(教えて!LGG®乳酸菌)│タカナシ乳業株式会社」
(URL:https://lgglab.jp/chikara/kaze.html)

※4「LGG乳酸菌とは?(教えて!LGG®乳酸菌)│タカナシ乳業株式会社」
(URL:https://lgglab.jp/about.html

※5「赤ちゃんのアトピー発症率の減少(教えて!LGG®乳酸菌)│タカナシ乳業株式会社」
(URL:https://lgglab.jp/chikara/atopy.html

※6「肌の潤いを保つ(教えて!LGG®乳酸菌)│タカナシ乳業株式会社」
(URL:https://lgglab.jp/chikara/hoshitsu.html

※7「プロのテクニック 知ってる?腸と腸内細菌のお話│タカナシ乳業株式会社」
(URL:https://www.takanashi-milk.com/html/page43.html

※8【PDF】「2つのプロバイオティクス菌で調整した発酵乳のプラセボ比較二重盲検臨床試験によるスギ花粉症患者へ与える影響│タカナシ乳業株式会社」
(URL:https://www.takanashi-milk.co.jp/labo/release/pdf/201604.pdf

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