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L-シトルリン

成分
10秒解説

L-シトルリンはスイカ果汁から発見された遊離アミノ酸のひとつ。その機能の高さから、“スーパーアミノ酸”とも呼ばれます。食品成分として承認されたのは2007年のこと。野菜や果物に含まれる成分ですが十分な量を補給しにくいため、サプリメントに注目が集まっています。

こんなお悩み・健康効果に

  • 疲労回復
  • しわ・たるみ予防
  • しみ・くすみ予防
  • 高血圧予防
  • むくみ改善
  • 冷え改善
  • 肩こり改善
  • 血流改善・血行促進
  • 美肌
  • 集中力アップ
  • 基礎代謝アップ
  • 記憶力・学習能力の向上

L-シトルリンとは

様々な健康・美容効果があるとされますが、
とくに高い血流改善作用が期待できる成分です。

L-シトルリンが発見されたのは1930年の日本で、スイカの果汁から発見されました。スイカの他にもメロン、きゅうり、冬瓜、ゴーヤといったウリ科の植物や、哺乳類をはじめとする動物の体にも含まれています。

L-シトルリンはアミノ酸の一種で、その中でも遊離アミノ酸にカテゴライズされるもの。スーパーアミノ酸と呼ばれることもあります。アミノ酸はタンパク質を構成するものですが、遊離アミノ酸はひとつのところに固まらず、ひとつひとつがバラバラの状態で血管や細胞内に存在しています。必要なときに必要な場所ですぐに活躍できることが大きな特徴です。

L-シトルリンには血管をしなやかにし、血液の流れをスムーズに改善する働きが期待できます。その他にも動脈硬化や高血圧の予防、血流改善による冷え・むくみの改善、美肌効果、筋力アップ、疲労回復など、さまざまな健康・美容効果に注目が集まっています。

野菜やフルーツなどからL-シトルリンを摂取することは可能ですが、健康効果を実感できるほどの量を取り入れるのはむずかしいため、L-シトルリンの補給にはサプリメントが適していると考えられています。

期待される効果・作用

血流改善作用

L-シトルリンは、高い血流改善作用を持つとされる成分です。体内に取り込まれたL-シトルリンは、消化吸収されるプロセスでアミノ酸の一種である「アルギニン」に変換されますが、このとき一酸化窒素(NO)が産生されます。一酸化窒素には血管を拡張して血流をスムーズにするという働きがあるため、「動脈硬化予防」「冷えの予防」「肩こりの改善」「新陳代謝アップ」といった効果が期待できます。

むくみの改善作用

余分な水分や老廃物が体内に蓄積することで起こる「むくみ」。筋肉量や運動量が少ない人や、塩分の摂取量が多い人にしばしば見られる症状です。このむくみを解消するには血流を促進することが重要ですが、そこで役立つのがL-シトルリンによる血流改善作用。血液のめぐりが良くなると蓄積された水分や老廃物が排出されやすくなり、むくみが改善されるとされています。

冷え改善作用

体の冷えは末梢血管の血行が悪くなっていることが主な原因で、運動不足や過剰なストレスによっても引き起こされるといわれています。L-シトルリンの血流改善作用は主要な血管だけでなく、末梢血管においても同様の効果を示すことが分かっています。45〜65歳の健常な成人男性・女性に1日あたり800mgのシトルリンを3週間摂取してもらったところ、シトルリンを摂取したグループに冷え改善効果が見られたという研究データもあります。[※4]

美肌効果

L-シトルリンは、皮膚の角質細胞に存在する天然保湿因子(NMF)を構成するアミノ酸の一種。セリンやグリシンなど天然保湿因子(NMF)はL-シトルリンにも存在していますが、遊離アミノ酸としてもっとも多く存在しているのはL-シトルリンです。L-シトルリンの血流改善作用は肌の正常なターンオーバーを促すため、美しくハリのある肌づくりに欠かせない成分であると考えられます。

疲労回復作用

L-シトルリンには、体の疲労を回復させる効果もあります。疲労の原因物質には乳酸やアンモニアがありますが、これらは体内でのエネルギー生成の際に生まれる物質。疲労を溜め込まないためには、これらの原因物質を体外へ排出する必要があります。なかでもアンモニアを無毒化する代謝回路は「尿素サイクル」と呼ばれますが、この尿素サイクルで重要な働きをしているのがL-シトルリン。L-シトルリンは肝臓でアンモニアが分解されて尿素に変換されるのをサポートし、排出を促す働きがあるため、疲労回復に効果があるとされているのです。

集中力や記憶力の改善効果

全身の血行が悪くなると、当然ですが脳への血液循環も悪くなります。すると脳機能がダウンし、集中力や記憶力、やる気といった面に悪影響が出るようになります。L-シトルリンの血流改善作用は脳の血流もアップさせるといわれており、これが集中力や記憶力の改善・向上につながると考えられているのです。45〜64歳の男女にシトルリンを3週間摂取してもらったところ、シトルリンを摂取したグループに注意力の改善効果が見られたという報告もあります。[※3]

アスリートへの効果

L-シトルリンの血流改善作用や疲労回復効果は、アスリートにとっても有益な成分です。運動をする前にシトルリンを摂取すると運動時の血流がアップし、より良いパフォーマンスを発揮できることが分かっています。また、運動終了後の疲労回復もスムーズです。さらに、L-シトルリンは成長ホルモンの分泌にも関与しているため、筋肉の増大にも欠かせない成分といわれています。

こんな方におすすめ

L-シトルリンが体内でアルギニンに変換される際に合成される一酸化窒素(NO)。この一酸化窒素には血管を拡張して血流をスムーズにする働きがありますが、年齢と共にその量は減少していきます。そのため、年齢を重ねるにつれて「疲れが抜けにくくなった」「冷え性がひどくなった」「肩こりに悩んでいる」「シミやしわが気になる」「むくみが気になる」「記憶力や集中力が低下した」といった悩みを抱えている、中高年以降の世代におすすめの成分です。

また、L-シトルリンはアスリートの人や日常的にマラソンや筋トレをしている人にもおすすめ。運動前にL-シトルリンを摂取しておくとパフォーマンスが高まるだけでなく、運動後の疲労回復もスムーズになります。

厳密な基準が設けられているワケではありませんが、L-シトルリンの1日の摂取目安量は800㎎程度とされています。しかし、800㎎のL-シトルリンを食品から摂取するためには、メロン1.3個、キュウリ56.5本、ゴーヤ24.4本、ニンニク290個、冬瓜3.8個、スイカ1/7個が必要です。[※1]
これらの量を継続して食べ続けるのは難しいですので、L-シトルリンのさまざまな健康・美容効果を実感したいのであれば、サプリメント利用がもっとも効率的といえるでしょう。

考えられるリスク・
副作用

L-シトルリンはもともと人体に存在している成分で、毒性も低いため、安全性は高いと考えられています。マウスを用いた研究によると、体重1㎏あたり2gのシトルリンを4週間にわたり反復投与した実験でも、主だった副作用や組織の異常は認められませんでした。[※4]
ただし食品から摂取する分には問題ありませんが、サプリメントを利用する際には決められた摂取目安量を守る必要があります。とくに妊娠中・授乳中の女性や、血圧や血管に疾患を持っている人、降圧剤を服用している人は使用を控えたほうが良いでしょう。
また、L-シトルリンはウリ科の成分であるため、アレルギーには注意が必要です。

L-シトルリンを含む
食べ物

L-シトルリンは、ウリ科の植物に多く含まれています。シトルリンという名称の由来となっているスイカのほか、メロン、キュウリ、冬瓜、ゴーヤ、へちまなどにも多く含まれています。ちなみに100gあたりのL-シトルリン含有量は、スイカ180mg、メロン50㎎、キュウリ9.6㎎、冬瓜18㎎、ゴーヤ16㎎、へちま57㎎となっています。その他にもクコの実やニンニク。牛肉の中にもわずかながらL-シトルリンが認められます。[※1]

ちなみにL-シトルリンは果肉よりも果皮に多く含まれているのが特徴なので、皮を食べにくいスイカ、メロンなどよりも、皮ごと食べられるキュウリ、ゴーヤといった食材のほうが効率が良いとされています。また、一酸化窒素の産生をサポートする成分にはアルギニンも挙げられるため、アルギニンを含む鶏肉や大豆などと一緒に摂取すると相乗効果が期待できます。

発見・研究の歴史

シトルリンが発見されたのは、1930年の日本。日本の学者によってスイカの果汁から成分が発見され、スイカの学名であるシトルラスブルガリス(citrullus vulgaris)からその名が付きました。

とくにシトルリンが多く含まれるのは、カラハリ砂漠に自生する野生のスイカ。厳しい乾燥と日光の中でも旺盛に生育するのが特徴ですが、それは環境ストレスに耐えうるほどの大量のシトルリンが含まれているからだといわれています。

シトルリンについてはいくつかの研究がなされており、その結果、ヨーロッパでは医薬品として、アメリカではサプリメントとして使用されるまでになりました。日本では2007年に安全性が確認され、食品成分として利用できるようになっています。

L-シトルリンに関する研究情報

【1】特別な疾病を持たず、疲労を訴える健常男性18名にL-シトルリン-リンゴ酸塩を15日間にわたり摂取してもらったところ、運動中のATP生成が非摂取にくらべて34%増大。エネルギー貯蔵物質とされるホスホクレアチンも20%回復増加しました。
https://www.medience.jp/products/l-citrulline/

【2】高コレステロールのエサを投与したウサギにL-アルギニン・L-シトルリン・抗酸化物(ビタミンC・E)を12週間にわたって経口投与したところ、全ての成分を与えられたウサギにアテローム性動脈硬化の改善効果が見られました。
https://www.medience.jp/products/l-citrulline/

【3】高血圧のラットにL-シトルリンを6日間にわたて腹腔投与したところ、血圧の有意な低下が認められました。さらに一酸化窒素(NO)合成酵素阻害剤を投与したところ、この効果は消失したことことから、血圧の低下はL-シトルリンの一酸化窒素(NO)産生によるものだと考えられます。
https://www.medience.jp/products/l-citrulline/

参照・引用サイトおよび文献

※1「シトルリンの効果について。筋トレに役立つって本当?│江崎グリコ株式会社」
(URL:https://cp.glico.jp/powerpro/amino-acid/entry70/

※2「シトルリンの冷え改善効果について調査検証し、「体の冷え」で大きな改善効果│シトルリン研究会」
(URL:https://citrulline.jp/about/work/cold.html

※3「シトルリンについて 仕事・勉強│シトルリン研究会」
(URL:https://citrulline.jp/about/work/study/

※4【PDF】「L-シトルリンの機能性と食品への応用│協和発酵バイオ株式会社」
(URL:https://citrulline.jp/data/img/pdf/citrulline_functionality_food.pdf

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