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ビタミンA

成分
10秒解説

ビタミンAは別名「抗感染症ビタミン」と呼ばれており、目や皮膚の粘膜を健康に保ち、抵抗力を強める役割を担っています。
脂に溶けやすい脂溶性ビタミンの1つで、豚レバー、鶏レバー、バター、鶏卵などの動物性食品や緑黄色野菜に多く含まれています。

こんなお悩み・健康効果に

  • 健康の維持・増進
  • 美容
  • 美肌
  • 皮膚のアンチエイジング
  • シミ・シワ予防
  • 風邪予防
  • インフルエンザ予防
  • 視力改善
  • ドライアイの予防・回復
  • 老眼予防・回復
  • 緑内障予防
  • 花粉症予防
  • がん予防

ビタミンAとは

動物性食品や緑黄色野菜に多く含まれている脂溶性ビタミンで、
高い抗感染症作用があります。

ビタミンAは脂溶性ビタミンで、レチノール、レチナール、レチノインの総称。
体の中にはいったビタミンAは、脂肪とともに小腸から吸収されると、ほとんどは肝臓に蓄えられ、その他は心臓や肺、腎臓などの各組織へ運ばれていきます。主な働きは、目や皮膚の粘膜を健康に保ち、抵抗力を強める作用です。皮膚と粘膜細胞は感染症に対する最初の防御ラインであり、ビタミンAは抗感染症の役割を担っています。またビタミンAは、体内に侵入した病原体に対抗するリンパ球など白血球細胞の発生や分化にも関わっています。
ビタミンAには2種類のタイプがあり、多くの食品に含まれています。
食肉、鶏肉、魚や乳製品に含まれる既成ビタミン(レチノールおよびそのエステル)と、果物や野菜、その他の植物由来の製品に含まれるプロビタミンAがあります。プロビタミンAに含まれるβ-カロテンなどのカロテノイドは人参などの緑黄色野菜に多く含まれており、最も効率よくビタミンAに変換されていきます
ビタミンAは脂溶性ビタミンのため油脂と相性が良いので、炒め物や揚げ物、ドレッシングなど油を使った調理にオススメです。

期待される効果・作用

免疫力の向上・健康の維持増進・風邪予防

免疫とは、体に悪い影響を与える菌やウイルスや、がん細胞などから、体を守ろうとする働きのことを言います。
免疫力は不規則な生活やストレスにより低下するので、風邪やさまざまな病気に罹患するのです。
ビタミンAは、気管支などの粘膜や皮膚を正常に保つことで、粘膜からの菌やウイルスなどの異物の侵入を抑える作用があるので、積極的に摂取することで、免疫力は向上し、風邪や病気にかかりにくい体をつくることができます。

美肌効果

ビタミンAには皮膚や粘膜の新陳代謝を促進する働きがあるため、美肌を保つためには大切な栄養素です。
肌の基礎体力を上げる役割も担っているため、シミやシワを防ぐアンチエイジング効果が期待できます。肌のターンオーバーの促進にも作用するため、美白効果も期待されています。

視力改善・老眼予防

ビタミンAの主成分であるレチノールは、網膜で光を感じる細胞の材料や角膜表面を保護する粘液成分になることで、目の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりする働きを担っています。さらにレチノールは、眼底に位置する網膜へと運ばれ光刺激反応や暗視能力にも関わっています。そのためビタミンAを摂取することで、視力の改善や老眼予防効果が期待されています。

花粉症予防

花粉症は、もともと人体に影響のない花粉を体が敵とみなして、過剰に反応してしまうことで起こるアレルギー症状です。
粘膜の状態が悪いと花粉が体内へ入りやすくなり、花粉症が悪化するともいわれています。ビタミンAには皮膚や粘膜を健康に保つことで、粘膜からの菌やウイルスなどの異物の侵入を抑える効果があるため、積極的に摂取をすることで粘膜を健康な状態に保ち、花粉症の体内への侵入をブロックする効果が期待できます。

がん予防

がんを予防するためには、免疫力を高めることが大切になります。
免疫力を高めることで、がん細胞を攻撃し、抑え込むことができると言われています。ビタミンAは抗酸化作用が強く、がんの原因とも言われている活性酸素の発生を抑える働きがあるため、がん予防の効果が期待されています。

こんな方におすすめ

ビタミンAは、免疫力の向上、皮膚・粘膜・目の健康維持、抗酸化作用による老化や癌から身を守るといっ た働きをもつビタミンです。免疫力を向上させ健康を維持したい方、風邪をひきやすい方、肌の健康を保ちたい方、シミ・くすみなどの色素沈着を軽減したい方、夜盲症など薄暗いところで物が見えにくい方、動脈硬化など老化現象が原因の疾病が気になる方、がんを予防したい方などにオススメです。

厚生労働省が設定している「日本人の食事摂取基準2020年版」[※1]によると、1日のビタミンAの推奨摂取量は成人男性の場合は800~900μg、成人女性の場合は650~700μgの摂取が推奨されています。また、ビタミンAの過剰摂取を考慮するために耐容上限量として、18〜69歳で男女ともに2700μg以下と設定されています。

考えられるリスク・
副作用

ビタミンAは決められた量を守って摂取していれば、ほとんど副作用はないと言われています。
しかし、連日過剰摂取(7,500μg/日)してしまうと、尿として排泄されずに肝臓などに蓄積し、頭痛やめまい、吐き気、けいれんなどの症状が現れたり、脱毛、皮膚の剥離や痒み、四肢の痛みや腫れなどの症状がみられる場合があります。[※2]

ビタミンAを含む食べ物

ビタミンAを多く含む食品は、レバー、うなぎ、バター、チーズ、鶏卵、緑黄色などです。調理による損失は比較的少ないビタミンですが、脂溶性のビタミンは油に溶けやすいため、揚げ物や炒め物などの調理法で摂取をすることで効率よくビタミンAを摂取することができます。

ビタミンAを含む主な食べ物(100gあたり)[※3]

・豚 肝臓(レバー) 生…17000μg
・鶏 肝臓(レバー) 生…14000μg
・うなぎ かば焼…1500μg
・プロセスチーズ…260μg
・あまのり ほしのり…3600μg
・あまのり 味付けのり…2700μg

日本人においては、緑黄色野菜からとるビタミンが最も多く4割を占めていると言われています。ほうれん草や人参、カボチャなどは料理にも取り入れやすいため動物性食品と緑黄色野菜を組み合わせて摂取をするとよいでしょう。

発見・研究の歴史

ビタミンAは、ビタミンの中では世界で最も早く発見された成分です。
1906年にHopkinsが、たんぱく質・脂質・炭水化物の栄養素の他に、牛乳を与えるとマウスが正常に育つことを発見したことからスタートし、1915年にMcCollumとDavisが、ついにバターや卵黄などからついにビタミンAを発見。fat-solubleA(脂溶性A)と命名され、後にビタミンAとよばれるようになりました。以後はビタミンA合成が化学的に可能となり、さまざまな分野で応用されるようになっています。[※4]

ビタミンAに関する研究情報

【1】喫煙を有する人、喫煙者および非喫煙者を対象とした前向き観察研究を実施したところ、カロテノイドならびに果物や野菜、あるいはその両方の摂取量が多い人では肺がんのリスクが低いことが示されました。
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/2809.html

【2】レチノールおよびその代謝産物は、乳がん細胞の生育を抑制することが認められ、ビタミンA摂取量が乳がんの家族歴をもつ閉経前女性における乳がんリスクの軽減も示唆されました。
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/2809.html

【3】麻疹に罹患した小児に対してビタミンAを200000IU/日・2日間連続で投与したところ、2歳未満の幼児では麻疹による死亡率の低下、小児では肺炎による死亡率が低下することが示されました。
http://www3.seinan-jo.ac.jp/university/nutrition/history/history03.htm

参照・引用サイトおよび文献

※1「日本人の食事摂取基準(2020年版)|厚生労働省」
(https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf)

※2「ビタミンAの過剰摂取による影響|内閣府 食品安全委員会」
(https://www.fsc.go.jp/topics/factsheet-vitamin-a.pdf)

※3「ビタミンAの働きと1日の摂取量|健康長寿ネット」
(https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-a.html)

※4「ビタミンA「歴史・種類・構造・働き・欠乏症・過剰症」|YAKUSAJI NET」
(https://medi-information.com/?p=444)

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