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ブドウ種子

成分
10秒解説

一般的には捨てられる部分であるブドウ種子。この種子から抽出されるオイルやエキスにはさまざまな健康効果があるのですが、とくに強力な抗酸化作用を持つプロアントシアニジンを含んでいることから、生活習慣病の予防効果や美肌効果が高いとされています。

こんなお悩み・健康効果に

  • コレステロール値を下げる
  • しわ・たるみ予防
  • しみ・くすみ予防
  • 感染症(インフルエンザ、風邪等)予防
  • PMS(月経前症候群)改善
  • 更年期障害の症状軽減
  • 肥満予防
  • 血流改善・血行促進
  • 美肌
  • 生活習慣病予防
  • 血管性トラブル予防
  • 肌の保湿力アップ
  • ダイエット
  • エイジングケア
  • 動脈硬化の予防

ブドウ種子成分とは

ブドウ種子のエキスとオイルには、
それぞれ違う健康・美容効果が期待できます。

ブドウ種子に含まれるエキスやオイルには、さまざまな健康・美容効果があります。ブドウ種子はワインをつくる際に取り除かれる部分であるため、ワインの産地であるフランス、イタリア、スペイン、チリといった国々で作られているのが特徴です。

ブドウ種子に含まれる成分は、エキスかオイルかによって異なります
まず、オイルはブドウ種子オイル(グレープシードオイル)は乾燥した種子を加熱したあとに圧力をかけて搾る油ですが、100㎏の種子からとれる油はたったの100ml。不飽和脂肪酸であるリノール酸・オレイン酸の含有量が高く、血中コレステロール値を低下させる作用が期待できる非常に貴重なオイルです。

一方、ブドウ種子エキスにはプロアントシアニジンというポリフェノールの一種が豊富です。プロアントシアニジンは高い抗酸化力を持っており、そのパワーは同じ抗酸化物質であるビタミンEの約5倍ともいわれています。オイルに含まれるリノール酸は酸化されやすいという性質を持ちますが、プロアントシアニジンによって守られているため、その機能が保たれているとも考えられています。

期待される効果・作用

悪玉コレステロールの減少、生活習慣病の予防

ブドウ種子のオイルには、リノール酸とオレイン酸という不飽和脂肪酸が含まれています。動物性脂肪を摂取しすぎると、血液中の悪玉コレステロール(LDL)の数が増え、血管の内側に付着して血流が妨げられます。これは動脈硬化や高血圧などの原因となり、そのまま放置すると糖尿病・脂質異常症・血管性障害といったトラブルを引き起こします。

ブドウ種子に含まれるリノール酸・オレイン酸には、この悪玉コレステロールの数値を下げる効果があるのです。さらにポリフェノールの一種であるプロアントシアニジンにも、悪玉コレステロールの酸化を防いだり毛細血管を強化・血行を促進するといった働きがあるため、動脈硬化による生活習慣病の予防に効果的とされています。

老化や疾病から体を守る効果

ブドウ種子に含まれているプロアントシアニジンやビタミンEは、強力な抗酸化力を有する物質です。とくにプロアントシアニジンの抗酸化力はビタミンEの5倍ともいわれているため、体内の活性酸素の増加を防ぎ、老化や疾病を防いでくれます。若返りのビタミンとも呼ばれるビタミンEについてですが、ブドウ種子のオイルに含まれるビタミンEの量はオリーブオイルの2倍以上といわれています。不足すると月経不順などのトラブルが起こりやすくなるため、とくに女性にうれしいビタミンとなっています。

美肌効果

美しくハリのある肌づくりに欠かせない、コラーゲンやエラスチンといった物質。実は体内にはこれらの物質を分解するコラゲナーゼ、エラスターゼという酵素があるのですが、ブドウ種子のプロアントシアニジンはこれらの働きを抑制する効果を持っています。美肌成分であるコラーゲンやエラスチンが壊れにくくなるため、ハリや潤いのある肌作りに役立つのです。

また、ブドウ種子のリノール酸には皮膚の保水力を高めて角質機能を維持する効果、オレイン酸には栄養分が肌に浸透するのをサポートする働きが期待できます。ブドウ種子のオイルはアレルゲンを含まず低刺激であるため、そのまま肌に塗ることでも美肌効果を得ることができます。

美白効果

シミやくすみといった、美肌の大敵となるものの原因はメラニン色素。紫外線から皮膚を守るために生成されるものですが、皮膚の生まれ変わり(ターンオーバー)がうまくいかないとメラニン色素が排出されなくなり、そのまま皮膚に残ってシミやくすみになります。そのメラニン色素の生成を抑えてくれるのが、ブドウ種子に含まれるプロアントシアニジンです。

成人女性12名にブドウ種子エキス200mが含まれたタブレットを6か月間摂取してもらったところ、3ヶ月目からシミの色素が薄くなってきたことが確認され、6ヶ月後には明確な改善効果が確認されました。このことからブドウ種子には肌の美白効果があると考えられます。[※5]

腸内環境の改善、メタボ予防

プロアントシアニジンには腸内フローラを改善し、とくに閉経後の女性のメタボリックシンドロームを防ぐ効果があるとされています。東京医科歯科大学と東北大学の研究グループは、卵巣を摘出した閉経女性のモデルマウスにプロアントシアニジンを含むブドウ種子エキスを投与。その結果、女性ホルモンの減少に起因する腸内フローラの変化が抑えられ、メタボリックシンドローム化が予防されることが明らかになっています。[※4]

こんな方におすすめ

ブドウ種子には、ポリフェノールであるプロアントシアニジンのほか、必須脂肪酸であるオレイン酸、リノール酸といった健康や美容によいとされる成分が豊富に含まれています。

とくにプロアントシアニジンは、老化や疾病の原因となる活性酸素を除去する抗酸化力が高め。そのため「いつまでも若々しくいたい」「老化のスピードを遅くしたい」「病気を予防したい」といった人におすすめです。活性酸素はストレスや疲労によって増える傾向があるため、ストレスが多い人やハードワークの人にも良いでしょう。

そのほか、悪玉コレステロールの増加を防ぐ効果も期待できるので、健康診断で悪玉コレステロール値(LDL)の数値が高いと指摘された人も、ブドウ種子を摂取してみると良いかもしれません。

ブドウ種子の摂取目安量・上限目安量について、明確な設定はされていません。サプリメントなどを利用する際には、製品によって決められた摂取目安量を守って利用するようにしましょう。ただし、ブドウ種子に含まれるリノール酸には過剰摂取による弊害が報告されています。リノール酸には血中の悪玉コレステロール(LDL)を減らす効果があるとされていますが、過剰に摂取すると善玉コレステロール(HDL)まで減らしてしまう恐れがあります。そのため適量を守って摂取する必要があるといえます。

考えられるリスク・
副作用

ブドウ種子から抽出されたエキスは、適量の摂取であればとくに副作用の心配なく使用することができます。ヒトを対象とした安全性を確認するための臨床試験では、最大14週間まで問題なく試験を進められています。ただし、アスピリン、ワルファリンといった高凝固剤を利用している場合、ブドウ種子の摂取にはリスクが伴います。サプリメント等を利用して何らかの異変が現れたときはすぐに使用を中止し、医師に相談する必要があります。

ブドウ種子成分を
上手に摂取するには

ブドウの種をそのまま食べるのは難しく、食べたとしてもその栄養分までしっかり摂取できるとは限りません。そのため、ブドウ種子の成分を取り入れるのであればサプリメントかグレープシードオイル(ブドウ種子油)を利用するのが良いでしょう。

グレープシードオイルは、その名の通りブドウ種子を搾って抽出したオイル。無味無臭なのでどのような料理・調理法にも使いやすく、加熱をしても成分が安定しているため揚げ物への利用も可能です。また、動物性油脂と比べると血中コレステロールの上昇もゆるやかになります。

ただし、グレープシードオイルに含まれるリノール酸には過剰摂取における危険性も示唆されているため、日常的に使う食用オイルをすべてグレープシードオイルに変えるのはおすすめできません。

発見・研究の歴史

ブドウ種子のもととなる「ブドウ」は、世界でもっとも歴史の古い果物といわれています。紀元前4000年ごろの古代エジプトや古代メソポタミアでは、この頃からブドウの栽培が始まっており、シルクロードを介して中国、日本へと伝わったとされています。

ブドウ種子油についての記録で、もっとも古いとされるのは神聖ローマ帝国に関するもの。皇帝マキシミリアン2世がブドウ種子油の存在を重視し、生産にまつわる事業を独占したとのことです。

イタリアやフランスといったワインを大量に生産する国では、ブドウ種子油は日常的に扱われてきましたが、近年ではアメリカのシェフによるレシピブックが流行の火付け役となったようです。

ブドウ種子成分に関する研究情報

【1】顔に肝斑を持つ12名の女性にブドウ種子ポリフェノール0.2gを6か月間摂取してもらったところ、3ヶ月目から色素が薄くなり、6ヶ月目には明確な色素の改善効果が見られました。
https://www.kikkoman.co.jp/news/02024.html

【2】高脂肪食を与えられたラビットに0.1%のブドウ種子抽出物が含まれたエサを与えたところ、大動脈の動脈硬化が抑制されました。このことから、ブドウ種子には動脈硬化を予防する効果があることが示唆されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9920515

参照・引用サイトおよび文献

※1「ブドウ種子エキスとは…成分効果と毒性を解説│化粧品成分オンライン」
(URL:https://cosmetic-ingredients.org/aging-care/%E3%83%96%E3%83%89%E3%82%A6%E7%A8%AE%E5%AD%90%E3%82%A8%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%88%90%E5%88%86%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E3%81%A8%E6%AF%92%E6%80%A7/

※2「ブドウ種子抽出物Grape Seed Extract│厚生労働省eJIM」
(URL:https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/27.html

※3「グレープシードオイルの健康効果とは?含まれる成分や選び方│KAWASHIMAYA」
(URL:https://kawashima-ya.jp/contents/?p=28874

※4「プロアントシアニジンによる腸内フローラの改善作用 ‐閉経女性のメタボ化の予防効果が期待‐│東北大学」
(URL:https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2018/06/press-20189999-proanthocyanidins.html

※5「キッコーマン、筑波大学臨床医学系皮膚科との共同研究でブドウ種子ポリフェノールに、顔のしみを薄くする効果を発見!7月26日開催の日本光医学・光生物学会で発表│キッコーマン株式会社」
(URL:https://www.kikkoman.co.jp/news/02024.html

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