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プロテオグリカン

プロテオグリカンアイコン

成分
10秒解説

高い保水力や弾力性をもち、コラーゲンやヒアルロン酸などとともに美肌効果成分が期待されるプロテオグリカン。その効果から化粧品の成分として利用されるほか、膝の軟骨成分であることから、健康食品などとしても応用が進められている成分です。

こんなお悩み・健康効果に

  • シミ・シワの改善
  • 皮膚再生作用によるエイジングケア効果
  • 変形性関節症の改善
  • 炎症性腸疾患の改善
  • 骨粗鬆症の予防効果

プロテオグリカンとは

ヒアルロン酸に匹敵する軟骨に含まれる機能性素材

プロテオグリカンは、糖とたんぱく質が結合した「糖たんぱく質の」一種。皮膚や関節の軟骨などに存在し、皮膚のハリや弾力を保ったり関節の動きを助けたりする働きがあります。体内では、コラーゲンやヒアルロン酸などと結合し「細胞外マトリックス」を形成して皮膚や関節などの組織を維持しています。

プロテオグリカンは優れた保水機能を持つ成分です。これは、プロテオグリカンに含まれる「グリコサミノグリカン」という直鎖状の多糖類の機能によるものです。プロテオグリカン内の多数のグリコサミノグリカンが水を保持することで、肌の弾力を保ったり関節の衝撃を吸収したりする機能を発揮します。[※1]

主に、美容成分や関節の動きをサポートする機能性素材としてよく知られているプロテオグリカンですが、抗炎症作用、骨代謝改善作用なども報告されています。

これらの作用のほかにもさまざまな疾患への応用の可能性が示唆されていますが、その中の一つが「腸内フローラの改善」。腸内フローラの乱れは、炎症性腸疾患や生活習慣病などの疾患への関与も指摘されています。

プロテオグリカンを経口投与する動物実験では、小腸での免疫応答や短鎖脂肪酸の産生への関与が示唆されました。このことから、プロテオグリカンが腸内フローラを改善し、腸管免疫を刺激したと考えられます。[※2]

プロテオグリカンの経口投与による腸内での作用については、今後の研究に期待されているようです。

期待される効果・作用

シミ・シワの改善

保湿成分としてよく知られているヒアルロン酸と同等の効果を持つとされている成分が、プロテオグリカンです。

肌の水分保持能力が低下すると、乾燥やシワ、たるみなどのトラブルを招きやすくなります。そのため、保湿効果の高いプロテオグリカンを取り入れることは、これらのトラブルの改善につながると言えるでしょう。

また、プロテオグリカンを塗布することで、色素沈着を改善する効果が期待できます。[※3]

皮膚再生作用

コラーゲンやヒアルロン酸の生成を促す働きを持つプロテオグリカン

さらに、プロテオグリカンには上皮細胞の増殖や成長にかかわる「EGF(上皮細胞増殖因子)」に似た作用があることが分かっています。

EGFは加齢とともに減少するため、肌のターンオーバーサイクルが遅れがちになり、肌の老化の原因となってしまいます。[※4]

つまり、プロテオグリカンを補うことで肌のターンオーバーサイクルを修正し、若々しい肌を保つことに役立ってくれると言えるでしょう。

変形性関節症の改善

軟骨の減少や石灰化を抑制したり軟骨の生成を促進したりする作用があるため、「変形性関節症」の予防や改善に効果があるとされています。

軟骨の構成成分は水、コラーゲン、プロテオグリカンです。プロテオグリカンは高い保水力で軟骨にとって非常に重要な役割を果たしているのです。[※5]

炎症性腸疾患の改善

プロテオグリカンは、免疫細胞の調整に関与することで抗炎症作用を発揮し、炎症性腸疾患の症状改善に効果があるとされています。

潰瘍性大腸炎のモデルマウスへのプロテオグリカン投与により、体重減少が抑えられたという研究成果が報告されています。[※2]

骨粗鬆症の予防効果

プロテオグリカンの骨代謝バランスを正常化する作用や、骨量の維持・骨質の劣化抑制などの作用から、骨粗鬆症の予防に効果があるとされています。[※6]

こんな方におすすめ

プロテオグリカンはヒアルロン酸と同等の保水性を持つほか、コラーゲンやヒアルロン酸の産生を促すという作用を持ちます。さらに、表皮細胞の増殖作用や色素沈着を改善する効果があることなどを踏まえると、さまざまな美容効果が期待できると言えます。

そのため、肌に対して以下のようなお悩みを抱えている方におすすめです。

  • 肌の乾燥が気になる方
  • シミ・シワが気になる方
  • 肌荒れが気になる方
  • 肌の弾力を取り戻したい方

また、軟骨の石灰化を抑制したり軟骨細胞を増やしたりする働きが期待できるとされているため、加齢により膝の関節に不調を感じている方などにとってもおすすめの成分であると言えるでしょう。

プロテオグリカンに摂取目安量や上限量などは定められていません。なお、原料メーカーや機能性表示食品の摂取目安量は、1日当たり5mg~10mgが目安となっているようです。[※7]

考えられるリスク・
副作用

現時点では、プロテオグリカンの摂取において健康被害や副作用などの報告はないようです。プロテオグリカンは本来生物の軟骨に含まれる成分で、私たちの体内にも存在している成分でもあります。また、古くから郷土料理としても取り入れられているなど長い食経験があるため、よほどの過剰摂取がない限り問題はないと言えるでしょう。[※8]

しかし、最近はサプリメントや健康食品への応用も増えてきているため、それらからの過剰摂取には注意したほうがよいでしょう。1日当たりの摂取目安量を守り、適切に摂取するようにしてください。

また、プロテオグリカンはサケの鼻軟骨から生成されることの多い成分です。そのため、サケアレルギーの方は注意が必要です。

卵、乳、小麦、そば、落花生、エビ、カニの7品目は、アレルゲン「特定原材料」として表示義務がありますが、サケは「特定原材料に準ずる」21品目に該当し、表示は推奨されていますが義務化はされていません。[※9]

サケアレルギーを持つ方がサプリメントなどからプロテオグリカンを摂取する場合には、原材料を確認の上使用するようにしましょう。

プロテオグリカンを含む食べ物

プロテオグリカンは軟骨に含まれている成分のため、魚の頭部や鶏軟骨、豚軟骨などさまざまな生物の軟骨部分に含まれています。こうした食材を使った料理としては、鶏の軟骨料理「軟骨の唐揚げ」や魚の頭を丸ごと煮付けた「兜(かぶと)煮」などが挙げられます。

しかし、プロテオグリカンは加熱してしまうとたんぱく質が変性してしまうため、効力を失ってしまいます。[※8]

プロテオグリカンを効率よく摂取するためには、サケなどの頭(鼻先の軟骨部分)を薄くスライスにして酢漬けにした「氷頭なます」がよいでしょう。氷頭なますは北海道や東北地方、新潟などの寒冷地に伝わる郷土料理です。

しかし、非加熱のサケの頭を入手するのはなかなか難しいので、お正月などに出回る「新巻鮭」で作る方法が手軽かもしれません。また、氷頭なますを通販で購入することも可能なので、食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

発見・研究の歴史

プロテオグリカンは1970年代に発見・命名されました。しかし、発見当時は有害な薬品を用いなければ抽出が難しく、製造コストもかなり高額であったため、実用化は難しいと言われてきました。[※10]

1990年には青森県産業技術センターが中心となり、プロテオグリカンがサケの鼻軟骨に高濃度で存在することを発見しましたが、やはり抽出方法で悩むことになります。

そんな中、郷土料理である「氷頭なます」(サケの頭部軟骨の酢漬け)にヒントを得て、プロテオグリカンを酢酸で抽出する可能性が見いだされたことにより研究が大きく進みます。そして、2020年に弘前大学により、食用酢酸とアルコールのみで抽出する方法が確立されました。[※10]

この方法によって、プロテオグリカンの低コスト・高濃度・大量抽出が可能になったのです。

現在では、プロテオグリカンの認知度も広がり機能性素材としてプロテオグリカンを提供するメーカーも増え、新たな効能や応用化に関する研究が進められています。

プロテオグリカンに関する研究情報

【1】プロテオグリカンはコントロールに対して有意な表皮細胞増殖促進作用が認められました
https://www.ichimaru.co.jp/research/proteoglycan/76

【2】プロテオグリカンには真皮におけるヒアルロン酸の産生を促し、皮膚のしなやかさや、みずみずしさを向上する効果が期待できます
https://www.ichimaru.co.jp/research/proteoglycan/76

【3】プロテオグリカンにはヒアルロン酸と同等の保水効果が期待できます
https://www.ichimaru.co.jp/research/proteoglycan/76

【4】プロテオグリカンには軟骨前駆細胞増殖を促すことで変形性関節症を予防および改善する効果が期待できます
https://ichimaru2021.sakura.ne.jp/research/featured/77

【5】プロテオグリカンには軟骨前駆細胞から軟骨細胞への分化能を促すことで変形性関節症を予防および改善する効果が期待できます
https://ichimaru2021.sakura.ne.jp/research/featured/77

【6】プロテオグリカンには軟骨の石灰化を抑制し、軟骨を維持することで変形性関節症への予防および改善効果が期待できます
https://ichimaru2021.sakura.ne.jp/research/featured/77

参照・引用サイトおよび文献

※1 プロテオグリカン|研究開発|一丸ファルコス株式会社
(URL:https://www.ichimaru.co.jp/research/proteoglycan/70

※2 プロテオグリカンの多彩な機能と可能性 | プロテオグリカンフォーラムサイト
(URL: https://www.ichimaru.co.jp/pg_forum/research/%e3%83%97%e3%83%ad%e3%83%86%e3%82%aa%e3%82%b0%e3%83%aa%e3%82%ab%e3%83%b3%e3%81%ae%e5%a4%9a%e5%bd%a9%e3%81%aa%e6%a9%9f%e8%83%bd%e3%81%a8%e5%8f%af%e8%83%bd%e6%80%a7/

※3 プロテオグリカンの美容効果に関する試験データ|研究開発|一丸ファルコス株式会社
(URL:https://ichimaru2021.sakura.ne.jp/research/featured/76

※4 プロテオグリカンの特徴・美容効果|研究開発|一丸ファルコス株式会社
(URL:https://ichimaru2021.sakura.ne.jp/research/featured/72

※5 プロテオグリカンの関節軟骨訴求効果|研究開発|一丸ファルコス株式会社
(URL:https://www.ichimaru.co.jp/research/proteoglycan/75

※6 【PDF】サケプロテオグリカンの骨粗鬆症予防に関する特許権の取得について|弘前大学
(URL:https://www.hirosaki-u.ac.jp/wordpress2014/wp-content/uploads/2018/02/20180221.pdf

※7 プロテオグリカン F|健康食品原料|一丸ファルコス株式会社
(URL:https://www.ichimaru.co.jp/healthy/395

※8 プロテオグリカン|バイオマテックジャパン
(URL:https://www.biomatecjapan.com/product_proteo.html

※9 食物アレルギー表示に関する情報|消費者庁
(URL:https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/

※10 青森県発機能性素材 プロテオグリカン(PG) – 青森県庁ホームページ
(URL:https://www.pref.aomori.lg.jp/sangyo/shoko/aomoriPG.html

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