Skip to main content

スクワレン

スクワレンアイコン

成分
10秒解説

スクワレンは「深海鮫エキス」とも呼ばれる成分。鮫類の肝臓から抽出されるエキス(肝油)に含まれる不飽和脂肪酸の一種で、オリーブオイルなどの植物油にも含まれています。スクワレンは、肌のターンオーバー促進や保湿作用による美肌効果や、肝機能改善効果のある成分として注目されています。

こんなお悩み・健康効果に

  • 新陳代謝促進
  • 美肌効果
  • 肝機能の向上
  • 免疫細胞の活性化

スクワレンとは

鮫の肝油に含まれる不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸の一種「スクワレン」は、深海鮫の肝臓から抽出される成分で、サプリメントや化粧品の成分として利用されています。

酸素の少ない海底に生息する深海鮫は非常に大きな肝臓を持っており、その大きさは体の25%ほど。その中にスクワレンをつくり出すことで、酸素を蓄えて体のすみずみまで運搬していると考えられています。この酸素を運搬する作用によって、スクワレンにはエネルギー産生をスムーズにして、新陳代謝を活発にするという効果が期待されているのです。[※1]

スクワレンは人体でも生成され、皮膚やリンパ節、骨髄にも存在していますが、加齢によって減少するといわれています。そのため、徐々に酸素不足となった細胞は新陳代謝が滞り、老化が進む原因となってしまいます。

高い保湿効果が注目され、外用として利用されることが多かったスクワレン。しかし、近年ではさまざまな機能性が見いだされ、サプリメントとしても利用されるようになっています。

不飽和脂肪酸であるスクワレンは、非常に酸化されやすい性質を持っています。そのため化粧品など外用として使用する場合は、スクワレンを還元することで化学的に安定させ酸化しにくくした「スクワラン」を使用しています。[※2][※3]

期待される効果・作用

新陳代謝促進

スクワレンには新陳代謝を促進する作用があります。これは、スクワレンが体内の水と反応して酸素を発生させ、体内のすみずみまで酸素を運ぶ役割によるもの。[※1]酸素を十分に取り込んだ細胞はエネルギー代謝が高まり、新しい細胞への生まれ変わりが促されるのですのです。

美肌効果

スクワレンによって肌細胞に十分な酸素が取り込まれると、肌の新陳代謝が活性化されます。加齢などによって遅れてしまったターンオーバーを正常化することで、肌の美しさを取り戻すことができるといわれています。[※1]

肝機能の向上

体内の組織に酸素を供給するスクワレンを摂取することで、各臓器の機能向上につながる可能性があります。特に肝細胞への酸素の供給は肝臓の働きを活性化させ、肝機能を向上させることが期待されています。[※1]

免疫細胞の活性化

スクワレンには免疫細胞を活性化させ、免疫機能を正常に保つ作用があると考えられています。[※1]

こんな方におすすめ

スクワレンは肌の新陳代謝を促進する成分です。そのため、シワやシミを改善し、肌を若々しくを保ちたいという方におすすめの成分といえるでしょう。

また、スクワレンの新陳代謝促進作用は体全体の老化防止にもつながるため、日頃から健康に気を遣う方に役立つ可能性があります。特に、肝機能や免疫機能を正常に保ちたいという方は意識して摂取してみるとよいでしょう。

スクワレンは摂取目安量・上限量などが特に定められていません。サプリメントでスクワレンを摂取する場合の1日当たりの摂取目安量は、メーカーによって異なりますが1,000mg~2,000mgとなっているようです。

考えられるリスク・
副作用

スクワレンは人体にも存在している成分であるため、適切に摂取した場合は特に危険はないと考えられています。しかし、一部には急性肝炎を引き起こした症例も報告されています。[※4]

サプリメントを利用する場合は1日当たりの摂取目安量を守り、初めて利用する場合は体調の変化を見逃さないようにすることが大切です。体調不良を感じた際は使用を止め、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

スクワレンを含む食べ物

スクワレンはオリーブオイル、綿実油、アボカド油などの植物油に多く含まれています。[※5]より効率よくスクワレンを摂取したいという方は、サプリメントを利用するのがよいでしょう。

なお、スクワレンと相性の良い成分に「コエンザイムQ10」があります。コエンザイムQ10は、活性酸素から体を守る抗酸化作用を持つ成分。肌の老化防止に役立つため、スクワレンと同時に摂取することで肌を若々しく保つ効果が高まると考えられます。

発見・研究の歴史

スクワレンは、1900年に設立された農商務省工業試験所で国産植物油や海産動物油を研究していた辻本満丸博士によって1916年に発見・命名されました。 辻本博士はスクワレンの他さまざまな油脂の研究に関わり、日本の油脂化学の発展に大きく貢献した人物です。[※6][※7]

その後、スクアレンの化学構造式はスイスのノーベル賞受賞者Paul Karrer によって明らかにされました。[※6]

深海鮫の生態を含めスクワレンの健康に関する効果には未だ解明されていない部分も多いため、今後のさらなる研究に期待が寄せられています。

スクワレンに関する研究情報

【1】1日あたり13.5または27 gのスクアレンを毎日摂取する調査により、皮膚の光老化に対する老化防止効果が認められました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19522983/

【2】スクワレンはヒト皮膚表面において一重項酸素を効率的に消失させ、脂質の過酸化を防ぐ可能性があります。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7742356/

【3】心筋梗塞後のラットにスクワレンを2%含む試料を45日間与えたところ、血漿および心臓組織中のコレステロール、トリグリセリド、遊離脂肪酸レベルの上昇を抑制しました。これはHDLコレステロールの上昇と同時にLDLコレステロールが減少したことによるものであると考えられます。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17201641/

参照・引用サイトおよび文献

※1 スクワレン | 株式会社SUNAO製薬
(URL:https://sunao-seiyaku.com/materials/squalene/

※2 マルハニチロダイレクト「スクワレンとスクワラン|マルハニチロ株式会社
(URL:https://www.direct.maruha-nichiro.co.jp/totteoki/detail?id=123&type=none

※3 スクワラン|化粧品用語集|日本化粧品技術者会
(URL:https://www.sccj-ifscc.com/library/glossary_detail/858

※4 スクアレン、スクワレン、スクワラン|国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報
(URL:https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail568.html

※5 スクワレン|株式会社シンギー
(URL:https://www.shingy.co.jp/materials/sukuwaren/

※6 【PDF】辻本満丸博士の先駆的偉業|公益社団法人日本化学会
(URL:https://www.chemistry.or.jp/know/isan039_article.pdf

※7 スクアレンを発見した辻本博士の残された資料が化学遺産に認定|国立研究開発法人産業技術総合研究所
(URL:https://www.aist.go.jp/aist_j/news/announce/au20170323.html

ページの先頭へ