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ビタミンB12

ビタミンB2アイコン

成分
10秒解説

ビタミンB12は別名「代謝ビタミン」と呼ばれ、赤血球の生成や補酵素として身体の様々な代謝に関わっているビタミンです。
悪性貧血の予防や神経の働きに必要不可欠な栄養素と言われています。水溶性ビタミンの1つで魚介類や肉類などに多く含まれています。

こんなお悩み・健康効果に

  • 悪性貧血予防
  • 貧血予防
  • 疲労回復
  • 良眠
  • 神経障害の改善・予防

ビタミンB12とは

魚介類や肉などに多く含まれている水溶性ビタミンで、
神経機能の維持など補酵素としてさまざまな働きに関わっています。

ビタミンB12は、補酵素として身体のさまざまな働きに関わっており、神経や血管を健康に保ち、DNAの生成を助けるのに役立っています。正常な赤血球の産生を助ける働きがあるため、貧血症状の改善や予防に有効な栄養素です。
ビタミンB12は水溶性ビタミンの1つで、動物性食品中( 魚介類・魚卵・レバー等)に含まれていますが、植物性食品中には含まれていない栄養素で、さらにビタミンB12が体内で吸収されるためには、胃で合成・分泌される糖たんぱく質と結びつく必要があります。
普段から動物性食品を含む食事をしている人は不足することがないビタミンですが、厳密な菜食主義の方や、胃炎や胃がんなど胃の病気をわずらっている方などは、不足してしまう可能性があります。
水溶性のビタミンですので、スープなど丸ごと摂取できるような調理法や汁ごと料理に利用することができる缶詰などから摂取するのがオススメです。また光に弱い性質をもつビタミンのため、食材は光に当たらないところでの保存が適しています。

期待される効果・作用

貧血予防・悪性貧血予防

ビタミンB12は、赤血球の合成に必要な栄養素です。赤血球がうまく作られないと、未熟な赤血球が増えたり数が少なくなるなどの異常が起こり、貧血症状が引き起こされます。ビタミンB12には、正常な赤血球の産生を助ける働きがあることから貧血症状の改善・予防効果が期待できます。

神経障害の改善、予防

末梢神経は、身体のすみずみに網の目のように張り巡らされている神経の総称で、運動神経や感覚神経、自律神経に関与しています。ビタミンB12は、末梢神経を構成している成分を増加させて神経を修復するという働きを担っています。そのためビタミンB12を摂取することで、末梢神経障害の症状であるしびれ、四肢の冷感、筋力の低下、肩こり、排尿障害などの予防や症状の改善が期待できます。

良眠

夜になると眠くなり、朝になると目が覚めるという睡眠のリズムを調節しているのが自律神経です。そのため自律神経が障害されると、夜になってもなかなか眠れないなどの睡眠リズムの乱れが引き起こされます。ビタミンB12には睡眠リズムを整える働きがあり、ビタミンB12を摂取することが深い睡眠を得ることにつながります。

疲労回復

体を構成している細胞は、食べ物の栄養素をエネルギーに変えて活動しています。このエネルギーの産生が十分に行われなくなることで、エネルギーの代謝が低下してしまい疲労を感じやすくなると言われています。ビタミンB12には、エネルギー代謝を円滑にするという働きがあるため、疲労回復に対しても効果が期待されています。

こんな方におすすめ

ビタミンB12は、補酵素としてた体のさまざまな働きに関わっており、神経や血管を健康に保ち、赤血球の生成を助ける働きをもつビタミンです。神経障害の症状であるしびれ、四肢の冷感、筋力の低下、肩こり、排尿障害などにお悩みの方、不眠の方、疲労がたまりやすいという方、貧血の方に適しています。
ビタミンB12が身体の中で吸収されるためには胃で分泌される糖たんぱく質と結びつく必要がありますが、高齢の方は胃酸の分泌量が少ないためビタミンB12が吸収されにくくなります。そのため50歳以上の方は積極的に摂取した方がいいビタミンです。

厚生労働省が設定している日本人の食事摂取基準2020年版」[※1]によると、成人では2.4mcg、妊娠している女性では2.6mcg、授乳中の女性は2.8mcgの摂取が推奨されています。ビタミンB12は水溶性ビタミンで、余剰分は尿などとして体外へ排出されることから過剰症の心配がなく耐容上限量は設定されていません。

考えられるリスク・
副作用

ビタミンB12は水溶性ビタミンのため、余剰分は尿などとして体外へ排泄されるので、食品中から摂取する分には、副作用などのリスクはないといわれています。[※2]
しかしビタミンB12のサプリメントは、一部の薬品と相互作用を引き起こす可能性が指摘されているので、定期的にお薬を内服している方は、主治医への確認をおすすめします。[※3]

ビタミンB12を含む食べ物

ビタミンB12は、自然界では微生物によって作られており、魚介類、藻類、肉類、卵、乳類に多く含まれています。
しかし野菜類、果実類、きのこ類、いも類などの植物性の食品には含まれていないため、菜食主義の方などはビタミンB12不足に注意が必要です。

ビタミンB12を含む主な食べ物(100gあたり)[※4]

・かき(養殖)生…28.1μg
・あさり 生…52.4μg
・まいわし 生…15.7μg
・牛レバー(肝臓)生…52.8μg
・鶏レバー(肝臓)生…44.4μg
・鶏卵(全卵)生…0.9μg
・プロセスチーズ…3.2μg
・焼き海苔…57.6μg

ビタミンB12は水溶性ビタミンのため、下茹でをしてしまうとビタミンの多くが茹で汁にとけてしまうので、そのためスープなどの具材として取り入れ、スープも一緒に食べることでビタミンB12を効率よく摂取することができます。
どうしても下茹でが必要な場合は、電子レンジなどを用いたり、蒸すことでビタミンB12の損失を最小限にとどめることが可能です。

発見・研究の歴史

1926年にMinot、Murphyによってヒト悪性貧血に肝臓療法が有効であることが明らかになりました。
1948年にはFolkers、Smithらによって牛の肝臓から抗悪性貧血因子となる赤色の結晶が単離され、それをビタミンB12と命名。その後、アデノシル型とメチル型のビタミンB12をBarker、Lindstrandらが発見したことにより、ビタミンB12の体内での補酵素としての働きが明らかになりました。[※5]

ビタミンB12に関する研究情報

【1】末梢神経障害を有する患者65名に対し、メコバラミンを1日1500μg投与し、症状の変化を「改善」「やや改善」「変化なし」「悪化した」に分け、二重盲権比較試験を実施。その結果、メコバラミン1500μgを投与した群では、67%の人に症状の改善が認められました。
http://www.senri-cl.com/seminor/mecobalamin.html

【2】いくつかのランダム化比較試験の結果から、ビタミンB12サプリメントと葉酸サプリメントを併用すると、ビタミンB6の併用・非併用に関わらず血管疾患あるいは糖尿病患者、および若年成人女性で、ホモシステイン値が減少することが示唆されました。
href=”https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9808229/

【3】ビタミンB12が不足すると血中のホモシステインが蓄積し、神経伝達物質の代謝に必要とされる物質の値が低下する可能性があることが示唆されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9406735/

参照・引用サイトおよび文献

※1「日本人の食事摂取基準(2020年版)|厚生労働省」
(https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf)

※2「健康食品の安全性・有効性情報 ビタミンB12解説|国立健康・栄養研究所」
(https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail177.html)

※3「ビタミンB12|厚生労働省ejim」
(https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/14.html)

※4「ビタミンB6/B12の働きと1日の摂取量|健康長寿ネット」
(https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-b6.html)

※5「水溶性ビタミン(2)|食品開発分析センター」
(http://www.mac.or.jp/mail/110801/04.shtml)

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