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オルニチン

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成分
10秒解説

オルニチンは、たんぱく質を構成するアミノ酸とは異なる「遊離アミノ酸」の一種。細胞や血液中に蓄えられており、臓器や筋肉など必要な場所に運ばれ利用されます。特に、肝臓の「オルニチン回路」において重要な役割を担っています。

こんなお悩み・健康効果に

  • 成長ホルモンの分泌促進
  • 肝機能改善
  • 疲労改善
  • 睡眠・目覚めの改善
  • 肌の調子を整える効果

オルニチンとは

肝臓の健康を維持し疲労回復の手助けとなるアミノ酸

オルニチンは、私たちの体の中にも存在するアミノ酸の一種。

アミノ酸といえばたんぱく質を構成する物質として知られていますが、オルニチンはたんぱく質の構成成分にはならず、アミノ酸単体で体をめぐる「遊離アミノ酸」と呼ばれます。

肝臓内では有毒物質アンモニアを代謝する「オルニチン回路」に関与するオルニチンは、人間の体にとって必要不可欠な役割を担っています。

アンモニアは、生命活動に必要なエネルギー源を作り出すのを妨げる物質。オルニチンは、そのアンモニアの解毒を促進する作用を持つため、エネルギーの産生をスムーズに進めることに役立っていると言えるでしょう。[※1]

オルニチンは、オルニチン回路に関わるほか、成長ホルモンの分泌に関与している可能性も示唆されるなど、多くの効果が期待されています。[※2]

期待される効果・作用

成長ホルモンの分泌促進

成長ホルモンは睡眠中に分泌が活発になりますが、オルニチンを摂取することで睡眠中の成長ホルモン分泌をさらに増加させることが示唆されています。[※2]

成長ホルモンは筋肉の合成を促す作用のほか、脂肪の分解や皮膚の代謝、ミネラルの代謝などにも関与しています。

そのため、子どもだけではなくあらゆる年代で必要なホルモンなのです。

肝機能改善

オルニチンは、有毒物質であるアンモニアを解毒する代謝回路「オルニチン回路」に関わるアミノ酸です。このオルニチン回路の働きを活性化することにより、肝機能の維持に役立つと考えられています。

また、脂肪肝の所見がある方においては、オルニチンの摂取により肝機能の数値改善が見られたという報告があります[※3]。

このことは、オルニチンの成長ホルモン分泌促進作用により脂質代謝が改善された結果、脂肪肝が解消され肝機能が改善した可能性が考えられます。

疲労改善

オルニチンの摂取によりオルニチン回路を活性化させることは、疲労回復効果が期待できます。[※4]

有害物質であるアンモニアはエネルギー産生の妨げとなるため、疲労の原因の一つであると言われています。

アンモニアの解毒を促進し、オルニチン回路をスムーズに進める作用を持つオルニチンは、肝臓のみならず体全体の疲労回復につながると言えるでしょう。

睡眠・目覚めの改善

就寝前のオルニチンの摂取が、睡眠の質を改善させる可能性があることが報告されています。[※5]

睡眠時間も重要ですが「よく眠れた」「すっきりと起きられた」など、睡眠の質に注目することも疲労回復には重要です。

肌の調子を整える効果

日常的に疲れを感じている、かつ肌の質が悪いと感じている成人女性がオルニチンを摂取することで、肌の弾力や隠れたシミが改善されたという報告があります。[※6]

成長ホルモンには皮膚の代謝に働きかける作用があるため、この効果はオルニチンの成長ホルモン分泌促進作用によるものであると考えられます。

こんな方におすすめ

二日酔い予防などに効くイメージのあるオルニチン。肝機能改善の効果が期待されるため、お酒を飲む方にもおすすめの成分としても知られています。

しかし、肝臓はアルコールだけではなくストレスや薬剤、暴飲暴食や運動不足など、日常生活のさまざまな要因から負担を受けやすい臓器であると言えます。

さらに、肝臓は人体に不可欠な代謝や解毒などの重要な機能を担っているため、肝臓の疲労が全身の疲労を招いてしまう可能性も考えられます。

そのため、オルニチンは肝臓をいたわりつつ疲労の改善につなげたいという方におすすめの成分です。

また、睡眠の質を向上させたい方や、肌の代謝を活発にして健康的な美肌を手に入れたい方にも効果の期待できる成分であると言えるでしょう。

オルニチンをはじめとするアミノ酸には、国による摂取目安量などの定めはありませんが、 1日あたり400mg~800mgが適切ではないかと考えられています。[※7]

考えられるリスク・
副作用

オルニチンは体内にも存在するアミノ酸です。食品にも含まれており食経験も長いため、安全性は高い成分です。

しかし、サプリメントなどで摂取する場合には過剰摂取に注意する必要があります

オルニチンを10g以上摂取した場合、腹痛や下痢を起こす可能性があると報告されていますが、これはオルニチンに限らず、アミノ酸を一度に大量摂取した場合に起こる症状であるとされています。[※7]

オルニチンを含む食べ物

オルニチンを多く含む食べ物の代表が「シジミ」ですが、実は「きのこ」、特にブナシメジに多く含まれていることが分かっています。[※8]

他にはキハダマグロやヒラメ、チーズなどに含まれていますが、シジミやブナシメジに比べると含有量はわずかです。

シジミやブナシメジを意識的に食卓に取り入れることでオルニチンを摂取できると言えますが、効率的に摂取するためにはサプリメントなどの利用も一つの手です。

サプリメントなどを利用する場合は、過剰摂取にも注意しましょう

なおオルニチンと同様に、成長ホルモンの分泌促進作用を持つアミノ酸「アルギニン」は、オルニチンとの相乗効果を発揮してくれる成分です。[※9]

発見・研究の歴史

1932年にオルニチン回路が発見され、主に3つのアミノ酸「オルニチン」「アルギニン」「シトルリン」の代謝経路から成り立っていることが分かりました。

その後、エネルギー産生に関わる「TCA回路」が発見され、肝臓の疲労とアンモニアの関係などの研究が進められました。

現在も、オルニチンの睡眠に対する効果などさまざまな効果について研究が行われています。

オルニチンに関する研究情報

【1】オルニチンの摂取により、肝機能を改善する可能性が期待できます。
https://www.kyowahakko-bio-healthcare.jp/healthcare/ornithine/effect04.html

【2】オルニチンを摂取することで、運動時における成長ホルモンの分泌促進が期待できます。
https://www.kyowahakko-bio-healthcare.jp/healthcare/ornithine/effect01.html

【3】就寝前のオルニチン摂取で、睡眠時間や入眠と睡眠維持の体感を改善する可能性が期待できます。
https://www.kyowahakko-bio-healthcare.jp/healthcare/ornithine/effect03.html

【4】飲酒習慣のある人がオルニチンを摂取することで、疲労の自覚症状やストレス状態の改善が期待できます。
https://www.kyowahakko-bio-healthcare.jp/healthcare/ornithine/effect05.html

参照・引用サイトおよび文献

※1 オルニチンについて|オルニチンとは|オルニチン研究会
(URL:https://ornithine.jp/about/

※2 研究13 成長ホルモン分泌促進効果の検証|オルニチン研究室|オルニチン研究会
(URL:https://ornithine.jp/lab/growthhormone.html

※3 研究11 オルニチンの肝機能改善効果の検証|研究オルニチン研究室|オルニチン研究会
(URL:https://ornithine.jp/lab/valuesdecrease.html

※4 オルニチンのはたらきと効果-02.疲労の改善 |協和発酵バイオの健康成分研究所
(URL:https://www.kyowahakko-bio-healthcare.jp/healthcare/ornithine/effect02.html

※5 研究12 オルニチンの睡眠・目覚め改善効果の検証|研究オルニチン研究室|オルニチン研究会
(URL:https://ornithine.jp/lab/awakening.html

※6 オルニチンの効果-06.疲れ肌の改善|協和発酵バイオの健康成分研究所
(URL:https://www.kyowahakko-bio-healthcare.jp/healthcare/ornithine/effect06.html

※7よくある質問と答え|FAQ|オルニチン研究会
(URL:https://ornithine.jp/faq/

※8 菌活辞典「オルニチン」 | きのこらぼ|ホクト株式会社
(URL:https://www.hokto-kinoko.co.jp/kinokolabo/jiten/jiten05/

※9 アルギニンのはたらきと効果-04.ほかのアミノ酸との組み合わせ|協和発酵バイオの健康成分研究所
(URL:https://www.kyowahakko-bio-healthcare.jp/healthcare/arginine/effect04.html

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