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コラーゲン

成分
10秒解説

ハリのある皮膚を生む成分として、美容面でとくに注目されているコラーゲン。コラーゲンはタンパク質のひとつで、皮膚はもちろん骨、血管、腱、筋肉、髪の毛、目、爪などにも多く含まれています。体内でも合成されますが、その量は加齢と共に減少していくのが特徴です。

こんなお悩み・健康効果に

  • しわ・たるみ予防
  • 関節痛・関節炎対策
  • 美肌
  • エイジングケア
  • 骨粗しょう症予防
  • 動脈硬化の予防
  • 爪を丈夫にする
  • 眼の健康

コラーゲンとは

体や皮膚を構成する主要なたんぱく質ですが、
加齢とともに減少していきます。

コラーゲンはヒトの体を構成するタンパク質のひとつ。体を形づくるタンパク質の約30%はコラーゲンでできており、皮膚においては約70%がコラーゲンとなっています。コラーゲンというと皮膚というイメージが強いですが、血管、筋肉、腱、毛髪、爪、目などにも多く存在しています。ちなみにコラーゲンには30種類以上の種類があるとされていますが、体内にもっとも多く存在しているのはⅠ型コラーゲンです。

コラーゲンは体内で合成されるものですが、その量は20歳がピーク。その後は緩やかに減っていき、40歳を超えるころから急激に減少します。そのため老化防止効果を期待するのであれば、加齢と共に減っていくコラーゲンを外部から補うことが重要とされます。

しかし、コラーゲンは分子の大きい高分子のタンパク質です。コラーゲンは体内で消化・分解されたあとペプチドとなって吸収され、必要に応じてコラーゲンへと合成されますが、分子が大きいと消化・分解に時間がかかるうえに吸収率も低め。
そういったデメリットを克服するため、現在では分子の小さい低分子コラーゲンが開発されています。低分子コラーゲンのサプリメント等は吸収率が比較的高いため、食品からコラーゲンを摂取するよりも効率が良いといえます。

期待される効果・作用

美肌効果

コラーゲンはもともと体内にある物質。皮膚を構成する表皮、真皮、皮下組織のうち、真皮の部分に含まれているのが特徴です。真皮でコラーゲン繊維は基質とつながり、肌を支えて弾力を保ちます。これが肌のハリを生み出しているのです。

コラーゲンは真皮の70%を占める成分であるため、不足すると肌の弾力がなくなり、しわやたるみにつながります。30歳を超えるころから少しずつ減りはじめ、40代を境に急激にその量が減るといわれています。そのため、コラーゲンを補うことで美肌効果が期待できます。

関節痛の改善効果

関節と関節の間にあり、関節のスムーズな動きを担っている軟骨。この軟骨の約50%はコラーゲンでできています。そのためコラーゲンが不足してくると軟骨の弾力性がなくなっていき、関節が動くたびに組織がすり減ったり潰されたりします。これが関節痛の原因です。症状が悪化すると歩くこともままならなくなり、医療機関で手術などを受けることになります。

コラーゲンには軟骨の新陳代謝を促し、軟骨の変性を遅らせることで老化を予防する効果があるとされています。膝関節症患者に1日10gのコラーゲンペプチド(コラーゲンを低分子化したもの)を91日間摂取してもらったところ、関節の痛みがやわらいだという報告もあります。[※2]

骨粗鬆症予防効果

骨の約80%はカルシウム、リンといった無機質、20%はコラーゲンをはじめとするタンパク質で構成されています。高齢者に多く見られる骨粗しょう症とは、骨の密度が低くなってちょっとした衝撃でも折れやすくなるという症状。カルシウム不足が主な原因とされていますが、実は骨のしなやかさや弾力を保つコラーゲンが不足することでも起こるのです。骨を構成するカルシウムなどのミネラルはコラーゲン繊維の周りに付着するという性質があるため、コラーゲンが不足することは骨粗しょう症の発症につながると考えられます。

動脈効果の予防効果

コラーゲンは血管組織の中にも含まれており、コラーゲンによって血管の弾力性が保たれています。血管に傷がついても通常であれば自然に修復されますが、コラーゲンが少なくなるとこの機能が低下し、血管が劣化。修復されないままの部分にコレステロールや中性脂肪などが付着して血栓ができ、動脈硬化が起きやすくなります。そのため、コラーゲンを摂取して血管の弾力性を保つことは、動脈硬化の予防に役立つといわれています。

目の老化の予防効果

眼球を構成する水晶体・角膜といった組織にも、コラーゲンが多く含まれています。とくに角膜はそのほとんどがコラーゲンでできており、コラーゲンが不足すると角膜が弱くなってしまいます。また、目の中でレンズの役割を果たしている水晶体も、水分、コラーゲン、ヒアルロン酸でできています。コラーゲンは眼球の形をまるく保つとともに、網膜を守るクッション的な役割も果たしているため、目の健康、老化防止にもコラーゲンは重要といえます。

爪を強化する効果

爪は皮膚の一部である為、コラーゲンの摂取でその水分量と硬度がアップするとされています。爪に悩みを持つ30~50代の女性に1日あたり5gのコラーゲンペプチドを12週間にわたり摂取したもらったところ、爪の保水量が有意に増加したことが確認されてました。[※5]

こんな方におすすめ

コラーゲンは体の組織を構成するタンパク質であるため、健康・美容の両面において不可欠な成分です。若い頃は体内でもコラーゲンが生成されますが、加齢と共にその機能は低下。40代以降は生成量が急激に減ってしまいます。そのためとくにコラーゲンの摂取が推奨されるのは40代以降の人。「肌の弾力が減ってきた」「乾燥しやすい」といった症状を感じている場合はコラーゲン不足が疑われるため、意識的に摂取すると良いでしょう。

また、コラーゲンは関節の健康にも欠かせません。関節の軟骨に含まれるコラーゲンが減ると、関節痛や関節の変形につながることもあるため、こちらも40代以降は注意していくべきでしょう。そのほか、骨粗しょう症予防・動脈硬化予防と、ミドル世代が気になる症状にコラーゲンは効果を発揮してくれます。

コラーゲンの摂取目安量は、1日あたり5~10gといわれています。肌、爪、関節といった部位ごとに効果が出る量や期間は異なり、もろくなった爪に対しては1日7gを3ヶ月、髪の毛については1日5gを8週間で一定の効果が見られたという報告があります。[※5]
また、関節や骨への効果を期待するなら1日10gのコラーゲンを摂取するべきであるとされています。コラーゲンは脂質の多い食事と一緒に摂ると、その効果が低下するともいわれています。食品の選び方や食べ方にも気を配るようにしましょう。

考えられるリスク・
副作用

コラーゲンの1日あたりの摂取目安量は5~10gで、食品から摂取する分には副作用等の心配はありません。ただし、サプリメントを利用しての摂取には注意が必要です。コラーゲンを過剰に摂取すると、ニキビなどの肌荒れ、体重増加、セルライトの発生(体外に排出されなかった分が脂肪に変わる)、排尿困難、むくみ、頭痛といった症状が現れることがあります。
また、コラーゲンはブタ由来や魚由来など原料がそれぞれ異なるため、アレルギーがある人は原料のチェックも忘れないようにしましょう。

コラーゲンを含む
食べ物

コラーゲンが多く含まれているのは、肉、魚の皮や内臓、手羽先、フカヒレ、牛すじ、うなぎといった動物性の食品。魚はまるごと食べることでコラーゲンを効率よく摂取できますが、日本人は魚食が減っているため、それに伴ってコラーゲンの摂取量も減少しているといわれています。
魚からコラーゲンを摂取するならシラスがおすすめ。コラーゲンだけでなくミネラルも摂取でき、しかも比較的安価という優秀な食材です。

しかし、1日5gのコラーゲンを摂取するには手羽先140g、牛すじ100g、シラス22g、鶏がらスープ1.2リットルと、相当な量が必要になります。脂質が多い食材も多いため、継続して摂取するならサプリメントの利用が好ましいでしょう。ちなみにコラーゲンには魚由来、ブタ由来などいくつか種類がありますが、コラーゲン成分としての違いはほとんどありません

発見・研究の歴史

コラーゲンの存在がはじめて確認されたのは1940年代のこと。電子顕微鏡によってコラーゲン繊維が観察されました。

それからコラーゲンに関する研究が進み、1960年には日本皮革株式会社が設立した財団法人日本皮革研究所(現・株式会社ニッピ バイオマトリックス研究所)で研究員をしていた西原富雄博士が、コラーゲンを水に溶かす実験に世界ではじめて成功(コラーゲン分子のペプシン等酵素による可溶化成功)。これを機に、コラーゲン研究が一気に加速したといわれています。

現在、コラーゲンはさまざまな健康食品、サプリメント、化粧品などに広く使われており、美容はもちろん健康・医療分野でもその機能が注目され続けています。

コラーゲンに関する研究情報

【1】褥瘡のある被験者に16週間にわたってコラーゲンペプチドを1日10g摂取してもらったところ、コラーゲンペプチドを摂取したグループでは褥瘡の治癒が促進されたことが確認されました。
https://www.nature.com/articles/s41598-018-29831-7

【2】30~57歳の女性被験者37名に、1日3gのコラーゲンペプチドまたは偽薬(プラセボ)を12週間摂取してもらったところ、しわ・保湿・弾力・ハリの4項目で肌の状態が有意に改善しました。
http://collagen-net.com/publication/event/report2016no02#Box4

【3】マウスに通常のエサ・骨密度を低下させる高リン剤・高リン剤+コラーゲンペプチドを3週間にわたって投与。その後、顎の骨をX線写真で確認したところ、コラーゲンペプチドを摂取した群では歯槽骨をふくむ顎の骨の保護効果が確認されました。
http://collagen-net.com/study/peptide/evidence/tooth

参照・引用サイトおよび文献

※1「コラーゲンが肌に効果的な理由とは?栄養士が語るコラーゲンとアミノ酸の関係│ていねい通販(株)生活総合サービス」
(URL:https://www.teinei.co.jp/column/collagen-and-amino-acids/

※2「04.関節(臨床試験)│新田ゼラチン」
(URL:https://www.nitta-gelatin.co.jp/ja/labo/peptide/04/04-1.html

※3「目の健康を考える│コラーゲンナビ」
(URL:http://collagen-net.com/healthy/column/012/

※4「森永製菓、コラーゲン経口摂取で爪の保水性などの改善効果を確認したと発表│マイナビニュース」
(URL:https://news.mynavi.jp/article/20140723-a010/

※5「コラーゲンの基礎知識│資生堂コラーゲンLABO」
(URL:https://www.shiseido.co.jp/collagenlabo/know/about/

※6「コラーゲンのNG摂取方法!!│まえだ整形外科 外科医院」
(URL:http://maedaseikei.net/publics/index/135/detail=1/b_id=159/r_id=323/

※7「コラーゲンの歴史│株式会社ニッピコラーゲン化粧品」
(URL:https://collagen-day.com/history.html

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