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コンドロイチン

成分
10秒解説

コンドロイチンとは体内にあるプロテオグリカンで、正式名称はコンドロイチン硫酸です。 コンドロイチンは高い保水性が特徴で、関節や軟骨で緩衝剤の役割を担っています。軟骨組織の主成分であり、関節疾患の治療薬として、注射や内服、外用に幅広く用いられている成分です。

こんなお悩み・健康効果に

  • しわ・たるみ予防
  • 高血圧予防
  • 肩こり改善
  • ドライアイ予防
  • 関節痛・関節炎対策
  • 腰痛改善
  • 肌の保湿力アップ
  • エイジングケア
  • 健康な骨の形成・骨の強化
  • 眼の健康

コンドロイチンとは

軟骨の保水性や弾力性を保つはたらきを持つ成分で、
エイジングケアに役立ちます。

コンドロイチンとは、ムコ多糖類(細胞と細胞をつなぐ物質)とよばれる粘性物質の1つであり、プロテオグリカン(たんぱく質と多糖類が結合した物質)という成分に分類されています。保水力に優れ、コラーゲンとともに細胞間や組織間を満たし、細胞や組織の保護、栄養補給などの役割を担っています。
そのほか抗炎症作用、脂質代謝作用、抗動脈硬化作用が示唆されています。
コンドロイチンは元々体内に広く分布しています。特に関節の軟骨組織に多く存在している成分で、不足すると軟骨の水分や弾力が失われ、摩耗が生じやすくなります。その結果軟骨がすり減って、変形性関節症や関節炎、腰痛、五十肩などの関節疾患を引き起こす原因となるのです。
また、コンドロイチンは、肌の水分や弾力にも関わっているため、不足によって、乾燥やしわなどのエイジングサインも現れやすくなります。 コンドロイチンは軟骨成分であるグルコサミン(グルコースとアミノ基が結合したアミノ糖でヒアルロン酸の原料となる成分)と併せて摂取することで相乗効果を発揮するとされており、この二つの成分を組み合わせたサプリメントも販売されています。

期待される効果・作用

関節疾患の疼痛や炎症の緩和

コンドロイチンは軟骨の保水性や弾力性を保つはたらきがあります。コンドロイチンがあることによって軟骨間に適度な緩衝性が保たれるため、関節はスムーズに稼働しているのです。しかし加齢によってコンドロイチンが減少すると、緩衝性が低下し、摩耗が生じやすくなります。その結果、変形性関節症や関節痛などの関節疾患を招いてしまうのです。すり減った軟骨に再び水分と弾力を与えるためには、体外からのコンドロイチンの補給が必要となります。
コンドロイチンは医薬品のほか、食物やサプリメントからの摂取が可能であり、不足分を補うことで傷ついた軟骨が修復され、関節疾患による疼痛や炎症の緩和につながるのです。

目の乾燥ケア

目の乾燥(ドライアイ)は、目を保護する涙液の量的または質的な異常が生じることによって引き起こされます。主な症状は目の疲れ、違和感、不快感、充血、かすみ、視力低下、目やになどです。原因としては、パソコンやスマートフォンの長時間使用によるまばたきの減少、空調による室内乾燥、コンタクトレンズの長時間装用、夜型生活、食生活、運動不足などの生活習慣のほか、加齢による涙液の分泌減少や質の低下が挙げられます。
このような目の乾燥のケアに、コンドロイチンを配合した点眼薬が役立ちます。コンドロイチンはムコ多糖類の一種で、涙液の成分に近い粘性をもった成分です。涙液のバランスを整えることによって、目の乾燥を緩和する効果が期待できます。[※1]

肌のエイジングケア

乾燥、しわ、たるみなどのエイジングサインは、加齢によって体内の水分量が減少することで現れやすくなります。コンドロイチンはコラーゲンと同様、結合組織の主要成分です。たんぱく質と結合して、コンドロムコタンパクという形で、軟骨、皮膚、血管、粘液などに幅広く分布しています。コンドロイチンはマイナスに荷電しているため、並ぶとそれぞれが反発しあい、隙間が生じます。その隙間に水分が入り込むことで安定し、保水性を発揮するのです。
しかしコンドロイチンは、加齢によって減少するため、徐々に不足状態になっていきます。その結果、肌の水分が保持できなくなり、乾燥やしわ、たるみなどにつながってしまうのです。このようなことから、結合組織の保水性を保つはたらきをするコンドロイチンによる、肌のトータルエイジングケア効果が期待されています。[※2]

血圧のコントロール

コンドロイチンには、血中のコレステロールや中性脂肪が活性酸素によって酸化されてできる過酸化脂質を除去するはたらきがあります。
過酸化脂質は、細胞を傷つけたり、新たな活性酸素やフリーラジカルを作り出したりするため、体にとって有害とされている物質です。過酸化脂質によって血管内膜に脂肪分が沈着していくと、血管が狭くなり、血圧が上昇しやすくなります。
コンドロイチンのはたらきによる過酸化脂質除去によって血管のコンディションが保たれるため、血圧のコントロールに役立つことが期待されているのです。[※3][※4]

こんな方におすすめ

コンドロイチンは軟骨の保水性と弾力性を保ち、軟骨の摩耗をケアするはたらきがあるため、変形性関節症や関節炎、関節痛にお悩みの方におすすめです。
また涙液に近い成分でもあることから、目の角膜を保護するはたらきも期待されており、白内障の術後処置や、近年増加しているドライアイの治療薬として、点眼薬に用いられています。OTC医薬品としても販売されているため、目の乾燥が気になる方にも適している成分です。

コンドロイチンはエイジングケア効果も期待されており、コラーゲンと同様に、加齢による肌の乾燥、しわ、たるみなどが気になってきた方のスキンケアにも役立つ可能性があります。

(株)同文書院「健康食品・サプリメント成分のすべて2017 ナチュラルメディシン・データベース」によると、コンドロイチンの摂取には、以下のような摂取目安量が定められています。

変形性関節症の治療薬の場合

1回200~400mgを1日2~3回摂取、または1000~1200mgを1日1回摂取

再発性心筋梗塞予防の場合

1日10gを3回に分けて3か月摂取、その後状態維持のために1日1.5gを3回に分けて摂取

なお、コンドロイチン硫酸ナトリウムとしてビタミンB1製剤に配合される場合は、1日の目安量は180mg、上限量は900mgです。

考えられるリスク・
副作用

コンドロイチンは一般的に安全性が高いといわれていますが、体質や体調によっては、胃痛、悪心、下痢、便秘、まぶたの腫れ、不整脈などの副作用がみられる場合があります。また、気管支ぜんそくや前立腺がんに罹患している方は、症状の悪化が懸念されるため、摂取にあたっては、注意が必要です。
また、生理機能が低下している高齢者、妊娠中、授乳中、小児の摂取については、安全性を示す十分なエビデンスやデータがないため、摂取を控えることが推奨されます。

コンドロイチンを含む
食べ物

コンドロイチンはムコ多糖類に分類される物質で、細胞や繊維、器官などの間を結合させる、結合組織の主要成分です。コンドロイチンはこれらの組織の保護や栄養補給、代謝に関与しています。元々体内に存在しており、一定量が分泌されていますが、加齢とともに減少するのが特徴です。

そのためコンドロイチンを充足させる手段のひとつとして挙げられるのが食べ物からの摂取です。コンドロイチンは粘性をもつ食べ物に含まれており、主な食べ物としては、納豆、ヤマノイモ、オクラ、なめこなどです。

またぬめりや歯ごたえのある食べ物にも含まれており、海藻、フカヒレ、ツバメの巣、スッポン、うなぎなどにも含まれています。

発見・研究の歴史

コンドロイチンは19世紀半ばから盛んになった、動物軟骨の研究から発見された成分です。コンドロイチンという名称は、ギリシャ語で「軟骨のもと」という意味から名づけられました。

実際にコンドロイチンが臨床現場で用いられるようになったのは1930年代後半のことで、当時は抗潰瘍薬、片頭痛薬として服用されていた記録があります。日本国内においては、1950年代後半からコンドロイチンを配合した医薬品が利用され始めました。現在のように、関節疾患にアプローチする成分としてサプリメント素材として広がり始めたのは、1980年代後半からです。[※1]

今なお、研究や臨床試験が数多く実施されている成分であり、今後新たな薬効が報告される可能性もあります。

コンドロイチンに関する研究情報

【1】変形性膝関節症患者130名がコンドロイチン硫酸1g/日を3か月間摂取した研究結果によると、関節症状スコアの改善、疼痛の減少、AFIの持続的効果増大などがみられました。この結果からコンドロイチンの関節症予防効果が期待されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11196521/

【2】変形性膝関節症患者127名が、コンドロイチン硫酸1200mg/日を3か月間摂取した研究結果によると、AFIおよび疼痛の減少がみられました。この結果からコンドロイチンの関節症予防効果が期待されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9743816/

【3】変形性膝関節症および変形性股関節症患者120名が、コンドロイチン硫酸2000mg/日を3か月間摂取した研究結果によると、鎮痛剤の使用量減少、VASおよびAFIの改善がみられました。この結果からコンドロイチンの関節症予防効果が期待されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1485136/

【4】変形性膝関節症患者622名が、コンドロイチン硫酸800mg/日を2年間摂取した研究結果によると、脛骨大腿関節腔幅(JSW)減少の抑制、疼痛の減少(VAS、WOMAC)がみられました。この結果より、コンドロイチン硫酸の変形性膝関節症予防効果が期待されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19180484/

【5】白内障後水晶体摘出患者100名について、水晶体摘出後に前房にヒアルロン酸ナトリウム、またはヒアルロン酸ナトリウム+コンドロイチン硫酸を点眼した場合、後者で術後眼圧の上昇が抑制されました。この結果より、コンドロイチン硫酸の白内障術後眼圧抑制効果が期待されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2500055/

参照・引用サイトおよび文献

※1「ドライアイの原因・症状・予防法|ロート製薬」
(URL:https://jp.rohto.com/learn-more/eyecare/all/dryeye/

※2「コンドロイチン硫酸・グルコサミン 栄養素の説明|オーソモレキュラー栄養医学研究所」
(URL:https://www.orthomolecular.jp/nutrition/chondroitin/

※3「過酸化脂質|e-ヘルスネット 厚生労働省」
(URL:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-004.html

※4「動脈硬化 血管・血液 循環器病あれこれ|国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス」
(URL:http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/blood/pamph21.html#-1

※5「健康食品・サプリメント成分のすべて2017 ナチュラルメディシン・データベース(総監修:日本医師会・日本薬剤師会・日本歯科医師会/編集・発行:日本健康食品・サプリメント情報センター)」
(URL:https://www.dobun.co.jp/nm2017/

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